健康診断の受診などの対策が必要

日本ではどうしても人口の多い都市部に大病院が集中し、農村などの過疎地域では病院はおろか医師が一人しかいないという場合がある。がんや脳梗塞といった重篤な病気を治療できる病院は大病院に多く、過疎地域では満足な医療を受けることが困難なのが現状である。
つまり、地域間の医療格差が生じているのだ。

例えばがん治療は年々発展しており、新たな治療法が発見され生存率も上昇している。しかし、このような医療を行うことができる規模のある「がん診療連携拠点病院」は、全国で344ある医療圏のうち236しかない。

また救急医療の現場でも、地域による医療格差が生じている。
重篤な患者を受け入れる3次救急は100万人に一拠点の基準で設置しているが、人口の少ない地域では搬送時間に大きく差が出てしまう。一刻を争う症状の際、住んでいる地域が生死の分かれ目となってしまっている。

では安心して暮らすにはどうすればいいのだろうか。
病院が多い地域に引っ越すというのは現実的ではない。

まず、1年に1度は健康診断を受けることが大事だ。
定期的に自分の体をチェックすることで病気の早期発見、対策につながる。もしがんであっても、早期なら比較的簡単に感知できる可能性が高い。

次に、地域のかかりつけの病院を作っておくことだ。
現在問題になっている救急車のたらいまわしを防ぐためにも、受け入れてくれる病院を持っておくことは重要である。また、かかりつけの病院なら自分の診療歴や検査データなども残っているため、的確な治療ができる。

個人で医療格差を変えることは難しいが、病院が少ない地域でも自分で対策を練ることが重要である。