医療格差という言葉を耳にしたことがある人でも、自分が住んでいる地域がどれほど恵まれているのか劣っているのかを理解できていない場合が多い。何となく格差を感じている場合でも、実際にどれほど他の地域と差があるのかを知らないのが現状だ。
医療格差とは、地域によって受けられる医療サービスに偏りがあったり、医療機関までの移動に時間がかかってしまう状態を示す。
日本では、この差を解消するためにさまざまな取り組みが行われている。しかし、全ての地域が同じ水準になる目途はついていないのが現実だ。
症状が重い患者の受け入れ態勢が整っている救命救急センターまでの搬送にかかる時間は、東京や大阪は20分前後であるのに対し、北海道や鹿児島県などでは90分前後かかるというデータがある。同じ症状で倒れた人であっても、住んでいる地域によっては病院への搬送に2倍以上時間がかかってしまうことも考えられるのだ。
残念ながら、この医療格差をすぐに解消することはできない。今後、市町村や国全体が取り組むべき課題の一つである。
一人ひとりができることとしては、普段から健康診断を受けるなど病気の早期発見が挙げられる。
また、持病がある人や体調に不安がある人は、かかりつけの病院の診察券を持ち歩いたり服用している薬の情報をわかりやすく書きとめておくことが大切だ。
医療機関への搬送をスムーズにするためには、体調管理と万が一の備えが重要になる。